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2008年06月
「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明を公表した。
特に注目すべきは,以前から当局への問い合わせも多い,役員給与等について、
損金算入が認められる定期同額給与の範囲等に規定する「特別な事情があると認められる場合」の具体的例示について解説している。
平成19年度税制改正により、定期同額給与とされる定期給与の額の改定の範囲に、
1)継続して毎年所定の時期に改定される定期給与の額の改定で、その改定が3月経過日等後にされることについて特別の事情があると認められるもの
2)役員の職制上の地位の変更、役員の職務の内容の重大な変更その他これに類するやむを得ない事情(臨時改定事由)によりされた定期給与の額の変更、が追加された。
このうち、
1)の特別な事情があると認められる場合とは、役員給与の額の改定につき、組織面、予算面、人事面等において何らかの制約を受けざるを得ない内外事情がある場合が該当するものと解されるが、法基通の改正ではその具体的例示を次のように掲げている。
@ 全国組織の協同組合連合会等でその役員が下部組織である協同組合等の役員から構成されるものであるため、 当該協同組合等の定時総会終了後でなければ当該協同組合連合会等の定時総会が開催できないこと
A 監督官庁の決算承認を要すること等のため、3月経過日等後でなければ定時総会が開催できないこと
B 法人の役員給与の額がその親会社の役員給与の額を参酌して決定されるなどの常況にあるため、当該親会社の定時株主総会の終了後でなければ当該法人の役員の定期給与の額の改定に係る決議ができないこと
なお、「特別の事情」による改定がされた定期給与であっても、継続して毎年所定の時期に改定されるものでない場合は、その改定が臨時改定事由または業績悪化改定事由による改定に該当しない限りは、定期同額給与に該当しないことになるので留意する必要があるとしている。
先日にも紹介しましたが,リースに係る会計基準及び税務に改正がありました。
税務上は、本年4月1日以後に契約を締結するリース取引から売買取引とされています。
しかし、借手がリース取引で「取得」したリース資産については、
法令上、少額減価償却資産の取得価額の損金算入(法令133)、一括償却資産の損金算入(法令133の2)の規定から除外されています。
したがって、10万円未満、20万円未満のリース資産については、即時償却や三年均等償却の適用がないことになります。
しかし、一方で、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(措法67の5)の規定上は、リースでの取得資産を除くとはされていないため、中小企業者等がリースによって取得した30万円未満の資産については、即時償却が可能となりますが,、同制度の適用を受けるためには、損金経理要件を満たさなければならないので注意してください。
損金経理要件とは,簡単に説明しますと,税務申告時の別表調整のみならず,会計処理でも経費として計上していることです。
リース契約に伴うこの度の改正については,未だ不明点ものこります。
タックスアンサーや公的発表の待たれるところです。今後もご注意下さい。